少年野球でコーチ(と言ってもお手伝い程度なんだが)を経験したことがある。
少年野球のチームは、当然監督がいて、長くやっているコーチを含め首脳陣となり、その世代のお父さん達のうち野球経験がある人はしっかり練習に参加し、未経験の人でも準備やキャッチボールの相手、球拾いなどを行う。
僕は未経験者なので、はじめは道具や設備の準備から入り、練習内容を把握し、そのうえで自分のできることを手伝う流れになる。また首脳や同級生関係者と程よい距離感でコミュニケーションをしていくので、自分の子供のこともさておき色々気を使うことになるw
そうこうしていても月日が経つにつれある程度慣れてくると、直接子供たちの指導にあたることは少ないため、球拾いなどをしながら客観的にチーム全体がみてとれてくる。子供たちの中で誰がうまい下手はもちろん、監督含めコーチたちがどのように指導しているのか、それを受けて子供たちが出す表情や雰囲気、そして時とともに子供たちの成長もみえてくる。
野球というスポーツは古くから盛んで、チーム単位でも多少の伝統もあり、考えも古いものを引きずりがちだという印象がある。よく言われることではあるがやはり指導で怒鳴ることや根性論も多く、ルール面でも低学年の盗塁など本当に必要なのか?と思ってしまうものもある。
子供たち一人ひとりに焦点を当てれば、野球を通じて技術面だけでなく人間面としても成長を感じられるのが良い結果である一方、なかなかうまくなれずいつまでもベンチの子、生活の一部として来ているだけになってしまっている子、途中でやめてしまう子、もちろん多くのチームでそうした子はいるんだと思うが、これを一人でも良い結果の方に全体を近づけていくことがやはり小学生には重要なんじゃないかと思う。
もちろん親とすれば自分の子供が活躍しているのがいいし、それでもってチームが勝つことがいいわけだが、色々な子供がいるので、組織マネジメントの観点としては、チームの勝ちを良しとするのか、個人の成長を良しとするのか、チーム方針は「明確」にするべきではないかと思う。
明確にというのはチームの首脳もそうだが、関わっているお父さんお母さんに聞いても、このチームはこういう方針でやっているというのが言える状態が望ましいと思う。そのくらい浸透させないと、特に経験者のお父さんは昔のイメージをもって日々の練習を行うので、その先にいる子供までなかなか伝わっていかないのではないかと思う。
ここではあくまで地域の中堅チームで子供の成長が主だと考えた場合になるのだが、
その指導の仕方で気になるところを掘り下げてみると、
・怒鳴ることで子供が萎縮してしまい、次の失敗を恐れてしまう。
・話が長く要点が伝わらないので、子供が次の行動をおこせない。
・結局、勝つことが=面白いと同調させるようにしている。
・そして、欠点や改善ばかりで褒めないため、つまらなそうである。
というのがある。
相手が大人のマネジメントに置き換えても、やはり一方的に怒るということは避けるべきことだし、要点を絞って完結に伝え、理解を求めたり、あるいは提案を受けるなどをする。当然、成果に対しては評価することになる。
言葉遣いや関係性は違うにせよ、そうやって子供たちに対してもしっかりマネジメントしていくのが成長というビジョンを達成するためには必要なのではないかと思う。
話しは戻るが、子供の成長というビジョンを浸透させるというのはとても難しいと考える人も多いのかもしれない。
当然チームにビジョンを浸透させるのは長い時間がかかるのだが、少なくとも監督やチームの首脳が、単純に「練習」で「全員が笑顔」になっている姿を思い描いてみて、チームミーティングや飲みの席なんかでも良いので、まずは共有することから入るのが良いのではないだろうか。
多分これをみても単純すぎて、そんなの空気でわかってよ。って感じで、声を大にこんなことをするのは大人では恥ずかしくてできないのだろうかと思うw
ただ、これもマネジメントのリーダーは時としてばからしいことを真面目にやってみる瞬間があるのではないだろうか。