仕事上で年数を重ねるに比例して人を指導する機会は多くあると思う。
指導経験を重ねていくと、対象者に業務を単に教えるだけではなく、こうなってほしい、こうしたらより成長できるんじゃないか、ということを考えるようになるだろう。
通常、仕事の指導は、第1ステップとして決められた定例業務を教えるところから始まり、定例業務を一通りできるようになって、その先も徐々にできることを増やしていく流れになるのかと思う。対象者が定例業務を日々こなしている姿を見て、イレギュラーな出来事などに対応しながら、徐々に仕事を増やし、さらなる成長チャンスを待つことになる。
ある段階にくると、
指導者「これやってみようか・・・?」
対象者「いえ、自信がありません。」「やらなくてもいいなら、現状のままにさせてください。」
指導者「いいけど、待遇を上げるにはこれはできないと・・・。」「役職に就くにはこれをやったうえで指導できるくらいにならないと・・・。」
対象者「待遇は今のままでもいいです。」「役職には就きたくないです。」
・・・なんてやり取り出てくるタイミングあったりする。
もちろん、そこまでに与えている仕事ができている状態であって、より以上を望まないのであれば、強制的にする必要はない。組織で仕事のバランスを取ることで吸収すれば良い。
ただ、この対象者にすごく言いたいことがある。。。
現状維持で同じお金(評価)を永遠もらえることはないので気を付けてほしい。
たしかに何年も変わらずにいれる場合もあるだろう。意識しなければ気づかない環境変化である場合もあるだろう。ただ、経済の影響により事業の環境は変わる、企業は右肩上がりに成長することを求められる、そして、人は変わる。
事業の成長もしくは衰退によって、やる仕事は増えたり減ったりし、それに合わせた配置転換などにより、求められる仕事や役割が変わることがある。
仕事は変わらなくても、周りの人が入ったり辞めたりすることで、求められる仕事や役割が変わることがある。
加齢により仕事のパフォーマンスが落ちることもある。
最悪のケースは、年齢を重ね、一定のスキルしかなく、退職を迫られた場合に、その時点での市場価値がなく転職ができなくなってしまうことではないか。
つまり、現状維持で良いや。を言い換えれば、現状楽をして将来にリスクを繰り延べることであって、この楽を欲している状態だと認識してほしい。現状そこそこ暮らしていける状態で良いなら良いが、働けなくなった時(けがや病気や老後)のことを思ってほしい。(余計なお世話ではあるが)同じ職場で関わった人が、あの時聞いておけば良かった・・なんて後悔してほしくはない。
もちろん、あまり無理して頑張る必要はないが、周りからの声に耳を傾け、年齢相応のスキルや経験という目線で「市場価値を維持」することの重要性を認識したうえで、自分の人生に責任を持って判断してくれることを願うばかりである。