高校野球を観て思ったマネジメントのこと

時事

先日、甲子園の優勝校が決定した。

今回は予選の頃からコンスタントに情報を得て、大会期間中も色々思いを馳せながら観ることができた。優勝した仙台育英高校は昔から強豪のイメージだったので、初戦からしっかり勝ち上がっていった印象もあわせて、今回はじめての優勝なんだと知っておどろいた。

前評判の高かった大阪桐蔭高校は、春の大会で圧倒的な強さで優勝しており、素人目にも順当にいくかと思っていた。もちろん倒した下関国際高校がその強さを発揮したことが最大の要因であることは言うまでもないだろう。

ただ、個人的に気になったのは、この試合における「雰囲気」だ。

この試合より前に大阪桐蔭高校の試合や選手の動画などをいくつか観ていたので、この試合の特に6回以降の攻撃の場面では、素人目線でもあれ?って思うような三振や選手から感じられる圧力の欠乏があったように思われた。

雰囲気はメンタルの集合体とも言えるものではないかと思うが、野球に限らず関わる人のメンタルが結果に及ぼす影響は計り知れないほど大きなものであるのは言うまでもなく、我々が行う一般的な仕事におけるマネジメントでも、メンバーのメンタルは常に注視しているべきものだと思うと、この試合の6~9回という後半において、相手のリズムや勢いを感じたのも確かだが選手のメンタルに働きかける「何か」を補う時間があったように感じた。

もちろん細かな技術面でのことはわからないし、現場で起こった事実を知っているわけではなく、ましてやそれにとやかく言うつもりもない。失礼ながらマネジメントの勉強として、画面を通して自分が監督やキャプテンならどうやってメンタルに働きかけるマネジメントができるのだろうと考えた。

試合を観ていた人なら同じことを思った人も多いのかもしれないが、6回の大阪桐蔭高校の攻撃で1点勝ち越したので明らかに同校が有利な状況になったはずである。ただ、僕が素人ながら雰囲気の変化を感じたのは、その6回に下関国際高校のピッチャーの継投があり、2死満塁から三振を取る「前」にあったように思えた。

あれ?気負ってるのかな?

今までならいつでも打つぞと言わんばかりの雰囲気なはずが、逆にちょっと追い込まれているようにも見えた。結果としては、普段の力量からするに十分に見逃せるボールでの三振。。でもまあ、そもそも高校生だしなとも思った。

次の攻撃ではバントのズレがあってトリプルプレーになってしまい、さらに雰囲気が傾いたようには感じたが、ここはあくまで偶然と考えても良いように思った。そして次の8回、表の守備をすんなり抑えられたので、傾いた雰囲気に違和感があったとしても「何か」を変える必要がなくなったのではないかと思った。だが、それは8回の攻撃でまた焦りからくる(と思われる)攻撃が0点となり雰囲気が変わっていないことを再確認する。

マネジメントが感じる嫌な雰囲気というのはなかなか難しいものだ。
単に心配性的なものもあれば、第六感的なものもある。あれ?おかしいかなと思ったら、現状認識をする(メンバーにはさせる)のが良いのではないかと僕は思う。

・確かに攻撃面で失敗があった。
・1点勝っているのはこちら。
・いつものプレーは何だったのかを確認する。

声のかけ方は人それぞれあると思うが、マネジメントとしては、これをメンバー全員が共通した意識に戻してやる時間を作りたいところだ。

もちろんそれをやっても負ける時は負ける。

ただ、チームや組織にとって、複数の人数で意識やベクトルを合わせることは、モチベーションを高め、雰囲気を作り、企業ならやがて文化になっていく。人をモチベートすることはとても難しいものであるが、マネジメントとしては人や場の雰囲気を感じ取りアプローチすることはとても重要なことに思える(しつこいようだが、それをしていなかったという指摘ではない)。

今回敗れた大阪桐蔭高校の選手はとても優秀なので、これをバネに選手としても人間としても大きく成長していくであろう。プロ野球選手になる人がいたら観れることを楽しみにしています。

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