管理職になると会計上の数字(財務諸表など)を見れるように求められることが多いと思う。細かなことがわからなくとも自分が受け持つ組織の結果が「どうなったのか」を知る必要があり、それが責任に直結するものである。
数字が苦手な人はどうしても理解しづらいので上っ面だけでなんとかしようとする。売上が去年より良かった/悪かった。費用を予定より使った/使わなかった。結果、利益がこの程度出た/出なかった。
でも、実はそれで良いのかと思う。
なぜなら、会計は何かものさしがあって初めて成立する。去年との比較、予算との比較などまさにそれであり、比較対象のものがあってはじめて理解が進む。
実際、数字が出てくる場面では、特にルーティンワークが確立されている状況であると、定例的に数字を出しているだけ。会議の報告を聞いているだけ。と、なりがちであり、結果として、変化が望まれる状況であっても数字から次の行動や事業展開が変わることは稀なのではないだろうか。
そうならないためにも、まずは数字を「何かと比べている」という認識を持つことがまずは重要であるように思う。
何と何を比較し、それが何なのか、数字を咀嚼して言葉に変えていく必要があり、その結果、どうするのか?という次の流れを作り出せるのではないだろうか。「去年よりこういうことがあったから今年は悪かった、では来年はこうしよう。」という考えの流れが作りやすい。
これは数字を言葉にすることであり、逆に言葉を数字にするのは、予算づくりではないだろうか。
上の流れを引き継ぐと、来年こうしようを実際に数字に落としてみて、来年は「今年より良い見込み(数字)ができるのか」ということになるだろう。
実際はもっと複雑な係数でもって管理しているであろうが、まずは「比較をしているんだよね」という簡単な認識もって数字を見ることから、徐々に言葉を継ぎ足してみると、思考が進んでくるのではないだろうか。
ちなみに経理業務を行っている立場では、数字をいかに伝え、見る人に気づきを与え、行動を促せるのか。というのが一つの指針になるのではないだろうか。